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3話 続

・・・・昔からいつも思ってることがある

千早の家、榊川家の門は物凄くでかいことだ

ちなみにこの家から3軒隣が我が家で、我が家から

5軒、榊川家から8軒先が武史の自宅となっている。

門がでかけりゃ家もデカイ、あの花WA君の家よりも少し劣るが

武家屋敷風でとりあえずでかい

「思うんだけどよ、千早の先祖様たちはどんな悪いことして

金持ちになったんだろうなぁ」

武史曰く『金持ち=悪行を働いた』らしい

「馬鹿かお前、昔見ただろ爺さんの部屋の甲冑やら兜をあれだよ

一昔前に戦で名を挙げた名家って小さい頃聞かされたぞ」

「そういや昔、爺さんの大切そうにしてた花瓶を俺とお前で割っちまった時

あの爺さん短槍持って追いかけてきたっけか」

千早の家に来ると大変な思いをしたことが多かったが

それと同等に楽しくもあった。なんせあの家の家族はどこか抜けてるというか―

今時の家に家政婦がいる家ってのはこの辺りでここしかないんじゃないのか

客間に慣れた対応で通された。高級そうな壷や掛け軸があったが

置いてある場所や昔から置いてある同じものだとわかると

あんまり変わってないようで少しだけ安心したような気がする

板を擦る音が聞こえる誰なのかは見当がつかない

「よぉ若いの元気にしとったか!」・・・・爺さんだった

未だに衰えを見せない元気な老人で俺は幼稚園

武史は小学校1年の頃から知っている人物

「どもっす(司)」「お久しぶりです(武史)」

「あぁあぁ、あいさつなどいらんわ。なぁーに久々にワシと手合わせ願えんか

ここいらで骨のある奴は司と武史君しかしらんのでな」

榊川家前当主で千早の祖父、榊川龍斎は武芸に優れた傑人と

千早の親父さんは言っていた。ちなみに骨のある奴というのは

教え甲斐(扱き甲斐)のある若者をさし

競り合える相手という意味で捉えてはいけない

(おい武史、お前が先にやられてこい)
(なんでだよ!司お前が先に行った方が楽だぜ!なぁ?)
(んじゃ優しい俺はお前が楽してくれることを優先してやる)

武史を思いっきり爺さんの前に突き飛ばした。

「おぉおぉ、武史君まず君からワシの相手か!ささっいざ道場へ参ろうぞ」

武史の巨体を軽々と引っ張っていく爺さんの凄さを再度確認できたので

この場から急いで退散し千早の両親にあいさつしに行くことにした。

障子を数え切れないほどあるが、今となっては迷うことはない

確かに小学校5年くらいまではどこにリビングがあるかわからなかず

大声で誰かに助けを求めたくらいだ

「どうも司です。お邪魔します」

そう告げて扉を開けると、武家屋敷には似合わない洋風なリビングを迎え

千早の父が応対してくれた。

「やぁ司君!久しぶりだねぇ元気にしてた?」

ここの家の男性は語尾近くに『元気』という言葉をよく使うのだが

龍斎さんは母方の父のはずなのにもかかわらず親父さんとよく似ている

「あら司ちゃん元気?」

こ こ の 家 の 家 族 っ て や っ ぱ 抜 け て る

心の中で苦笑を浮かべた後

「お久しぶりです憲治さん、単さん」

幼稚園からの付き合いだと千早の父母だとしても名前で呼ぶことが

あたりまえとなっていた。まぁそれの方が俺も気が楽で良い

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